墨絵 ~鯉の滝登り

2018年4月末は鯉の滝登りをテーマに、墨絵を行いました。

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まずは、濃い線・薄い線・かすれた線・細い線・太い線など、いろいろな線の引き方から練習します。学校や街の教室で書道の経験はみんなあるようで、墨には親しんでいる様子。

書道は二度書きもガサガサの線も禁止ですが、今課題の墨絵では、ガサガサの線を描く練習をします!線がひけた子から鯉の滝登りに挑戦。薄く鯉の形をとらえてから、濃い線を描いていきます。

 

 

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まずは中学1年生の水墨です!何度か経験があるので、墨の濃淡の扱いはお手のもの。独特の淡い水加減でいろいろな表情を作ってくれました。
鯉のうろこの模様をどうするか、じーっくりと考えられています!
ひるがえった鯉のラインもきれいですね!

 

 

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続いてはどーんと力強い小学2年生の男の子の作品です!
版画の巨匠・棟方志功のような、生命力みなぎるタッチが魅力的です。
人物は水の中を泳いでいる様子とのこと。なんだか物語を作れそうです!!

 

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最後は小学3年生の水墨画。
この作品、2つとも何回か試作を経た後の成功作です。
目がつぶれちゃったー!と言いながら、根気よくトライしてくれたおかげで、墨の表情の変化が幅広いです。石のにじみや、鯉の背中にかかるにじみが良い味をだしています!

 

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今回はお休みの子もいて、少ない人数でゆっくり描きましたが、3人3様、どの水墨画も、本当に見ごたえのある作品となりました!

 

水加減がなかなか難しい水墨画、とても奥が深くおもしろいので、未経験の方にはぜひ一度描いてみることをおすすめしたいです。

 

水墨画~鳥を描く

3月は、前半は補色か同系色の2色の組み合わせを選び、「1色で明暗を表現する」ことを学びました。

後半は墨絵です。
黒一色で明暗と色彩を表現していく墨絵。いろいろな種類の線を描けないと表現が難しいため、まずは線をひく練習から入ります。かすれた線と薄い線をひくことができた人から、本画にうつります。

墨絵では、写真ではなく絵を参考にしながら描いています。今回は鳥をテーマに、何かの植物と組み合わせで描いてもらいました。

 

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線に趣のある2作品です。左側は、後ろを見返る鳥の動きがよく伝わってきます!
右はじっくりと、時間をかけて描かれました。柳か蔦植物の濃淡のバランスが丁寧に描かれて、風にそよいでゆれている様子が表現されています!
鳥の羽根の表現も多彩で、絵の楽しみがある作品ですね。

 

 

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上左は月夜に飛ぶ鳥です。左下に鳥が飛んでいます。強いブラッシュストロークが残る夜空が抒情的ですね。(「よだかの星」のような鳥の心か、作者の夜空への想いを映しているようにも見えます・・!)
上右は大きな鳥の羽根のにじみと白黒のコントラストが気持ち良い作品でした!
水加減によるぼかしと筆の強いタッチが魅力の3点です。

 

 

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雀3種です。かわいらしいですね。とりわけ、上右の雀の表現方法が独特で、線では出てこないような雀の形が非常に面白いです!!
かすれや、墨の薄い、濃いのバランスも絶妙でした。
下は雀親子がリズミカルに並んで向日葵が添えられています。迫力の構図に、勢いがあって気持ちの良い作品です!

 

 

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こちらもゆっくりと時間をかけて、難しい鷲に挑戦しました。
まずは薄い線で鷲の輪郭を捉えてから、それぞれの羽を濃淡やかすれを使って描き分けていきました。下の層を乾かしてから上のタッチを入れているので、羽に奥行きを感じます。重厚な重みのある表現となりました!!
右は鳥が虫(?)を加えて低空飛行しています。捕まえられた獲物に動きがあり、一瞬を捉えた感じが伝わってきますね。

 

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大人でも「意外と難しい!」という声の多い墨絵です。
初めての子も、各自がそれぞれの課題を見つけ、どれも魅力的な作品となりました!