絵巻物

久しぶりのジュニアブログ更新です!
あっという間に12月も半ば、街には師走の雰囲気が漂っていますね。
10月から12月にかけて行った課題を、順次ご紹介していきたいと思います。

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今回は絵巻物!横に長い絵に挑戦です。端から端まで一目で確認できないため、画面の構成は予想以上に難しいです。場面と場面をどのようにつなげるか。物語にしてみたり、四季の変化にしてみたりと、絵の中に時間の経過を入れて構成してもらいました。

版画のハッチング技法を応用し、ペンによる線描で画面の明暗や抑揚をつけたところに、うすーい絵の具でさっと色をのせています。背景の草原や海など、目立つ必要のないところは色数を減らし、「ここを見て欲しいな」というところに視点を誘導するように着彩していきました!

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「りんごの大ぼうけん」

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右から左へ流れる、リンゴの大冒険です!春のうららかな村の近くの森から、リンゴがころころ転がって、海へ落ち、嵐を乗り越え冒険が進みます。ようやく辿り着いた雪国で、リンゴが雪だるまの目になっていますね。立体的な場面転換と話の流れが素晴らしい大作でした!

 
 

「海と陸の世界」

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画面は左から右へ進みます。砂浜には観光客の落し物がちらほら。浅瀬からいつの間にか海の中へ移って、人魚が落し物集めをしています。人魚の顔に動きがあり、波にゆらぐ金髪もかわいらしいですね。人魚の後ろには小さな魚が追いかけられています。海の外側と内側の関係に、絵巻物ならではの面白さがある作品です!

 
 

「夢の世界の危機!!」

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右から左に、氷のような時間が止まった世界から、扉の向こうにいる少女を助けに行く物語です。四次元空間のようなダリのチーズのように曲がった時計の表現がおもしろいですね。青一色の時間がおかしくなった世界から、色彩の世界へ!ミヒャエルエンデの「モモ」を連想させられるような、魅力的な発想で物語が広がる作品です。

 
 

「にじのかかる季節」

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右から左へ、春から冬へと四季が流れています。2つの虹が大きく配置されている構図が大胆でおもしろいですね。色が強く丁寧に色分けされていて、虹の迫力があります!よーく見ると、自転車や飛行機、雪だるまなど、細かい描き込みが魅力的なので、ぜひ拡大してご覧になって欲しい作品です。
寒い冬も、こんなふうに虹がかかっていたら暖かい気分になるかも・・・?しれません!

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いかがでしたでしょうか。横長の作品なので、クリックして大きな画面でどうぞ!!
(スマートフォンの場合は横にスライドしながら見ると絵巻物らしく見ることができます!)
お休みして時間が少なかった人は巻きものが短くなっています。どの作品も自由な発想で、魅力的な作品が並んだのではないかと思っております。

11月からは基礎的な課題に入ります。

 

木炭動物画/葉っぱの色彩構成

7月は基礎的カリキュラムの最後の月でした。前半はデッサン力をつけるための木炭画、後半は色彩構成です。

(1)木炭動物画

今回、半数以上が木炭は初挑戦でした。鉛筆のように細かくは描けませんが、全体の印象や明暗を柔らかく表現できるのが木炭画です。鉛筆よりも、より絵画的な表現がしやすいです。粉っぽいので、指のはらを使って絵肌をなじませながら、さらに濃く重ねて描いていきます。
動物は目鼻口の位置が人間と少し違うため、始めは戸惑いもある様子でした。顔の半分くらいの大きさで目を描いてしまう子もいましたが、「思っているよりも目は小さい」ということを伝えると、頭部のどの辺りに目鼻口が来るべきか、それぞれモチーフをよく観察してくれたのではと思います。

 

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ボリューム感をよくつかんで描けているので、迫力のあるデッサンです。毛並みや表情などよく観察できています!

 

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なんだか哀愁漂うミーアキャットですね。1人だけ短時間でしたが、愛らしい表情をよく捉えられています!

 

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しっぽや口の周りの毛並みのふわふわした感じが伝わってきます。右側の背景のタッチもなかなかかっこよいです!

 

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覆い茂っている森の雰囲気を、迷彩のようなトーンで描いてくれました。コアラも特徴をよく捉えていますが、背景も面白いです。植物の描き分けや配置、色をつける部分とつけない部分のバランスなどうまくデザインされています!

 

 

(2)葉っぱの色彩構成

葉っぱの形をきっかけに、好きな色とタッチで構成します。
油性のクレヨンの上に水性の絵具のをのせる「はじき」も1つの要素として紹介しました。みんなさくさくと進められて、1人2枚目ずつ制作した中から、1作目をご紹介いたします。
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「あきの葉」
紅葉が緑から赤へ色づく様子を連想させる画面です。赤と緑という補色を使いながらも、色数と色調を抑えることで優しげな印象の良作をつくってくれました!

 

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「すずしい夏の一日」
迷うことなくスムーズに完成された作品で、画面にも表れたその潔さが心地よいです。暑い夏の間の、一時の涼しさを思わせるタイトルもなんだか風流ですね。

 

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「レインボー」
実験箱のような作品です!クレヨンの塗り方もそうですが、クレヨンと絵具で同じ色を使って見る部分、違う色を使ってみる部分、絵具も反対の色を重ねる部分と、同系色を重ねる部分と、、、、どんなことができるだろう??という挑戦的な姿勢が面白いですね!右上の緑色のところがきれいです。

 

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「落ち葉のカーニバル」
ダイナミックで美しい構成です。鮮やかな色を鮮やかに見えるままで完成させるのは本当に難しいのですが、いつもうまく配置してくれます。右手は紫のグラデーション、左は緑のクレヨンのはじきを主体に構成されています。

 

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特に色彩構成はおもしろい作品がたくさん出てきてくれて、本人たちも楽しそうに取り組んでいました。
(本当は2枚目もご紹介したいところですが、、、ページが重くなってしまうので割愛します)

8月は油彩が始まりますよ〜!