油彩~動物を切り取ろう!!

1月の課題、動物の油彩画です。
以前、木炭を使って動物をデッサンしましたが、今回は「トリミング」に焦点をあてて、≪画面をどのように構成するか≫という視点から油彩を描きました。
 
写真をそのままに描くのではなく、各自選んだ写真から、気に入った部分をトリミング・変更しています。作者が「どこに」興味があったのかが、より伝わりやすい作品群になっております!
 

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2頭のシマウマです。左のシマウマの赤い舌は作者の意図で加えられています。大切な仲間を気遣う思いやりが伝わってきますね。写真だと2頭のシマウマの白黒が分かりづらかったので「工夫してみたら?」と伝えると、色を変えて絶妙な配色にしてくれました。右のシマウマに立体感と奥行きがあります!

 
 
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リスが巣穴に落ち葉を運んでいます。こちらはリスだけの写真をベースに、物語性のある世界を組み立ててくれました。
リスの毛並みに、本当にいろいろな茶色が見え隠れしていて、光を感じさせますね。尻尾のふわふわとした長い毛と、胴体の短い毛の描き分けもよくできています。油彩らしいタッチで、立体感あふれる作品となりました!

 
 
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チーターの凛凛しい顔つきが魅力的です!1回お休みで時間が足りないなか、耳の方向の変化や首の白い毛の表情、模様の微妙な変化など、丁寧にチーターの細部を追っているので、作者の思い入れのある部分がよく伝わってきます。チーターの黄土色からのぞき見えるライトグリーンが効果的なさし色になっています。後ろの樹木もかっこよく配置されていますね!

 
 
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キリンと3羽の小鳥です。長い首に着目し、四角い画面にどのように配置すると効果的か、良く練られています。思い切ってキリンの表情を隠した構図が面白いですね。モチーフでは荒野と曇り空が広がっていましたが、背景を草原に変更しています。印象派のような草原のタッチとキリンの模様、3羽の鳥の配置が組み合さって、抽象画のような面白さも備えた作品です!

 
 
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構図・色ともに、みんな油彩にはだいぶ慣れてきた様子です。どれも見ごたえのある作品になりました!!
引き続き2月の構成画をご紹介いたします!

ペインティングナイフで描く油彩

6月の課題から、静物油彩をご紹介いたします。

今回はペインティングナイフを使った静物油彩に挑戦してもらいました!

通常、油彩はじっくりと時間をかけて取り組むものですが、今回は対象を大きく捉えてざっくりとナイフで絵の具をのせていく描き方のため、短時間でF6号を完成させました。

油絵は初めて!という声もあるなか、油彩ならではのペインティングナイフに、みんなどきどきしながら取り組んでいた様子でした。
ナイフの裏と表の使い分けや、ひっかくのではなく「のせていく」やり方は多少コツがいるため、手こづる姿も途中見受けられましたが、どの作品も油彩らしい見ごたえのある作品に仕上がったと思います。

今回はモチーフも自分で選び、自分でセッティングをしてもらっています!

 

 

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赤ピーマンの色彩を丁寧にとらえています。ナイフでざっくりと描きながらも、モチーフ同士の色の反射などよく観察しているのが見る人にも伝わってきますね!中央にまとめた構図も独特な視点でおもしろいです。

 

 

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印象派を思わせる柔らかなタッチと色彩感が心地よいです。場の空間もよく描けています。背景では、キャンバスの上で混色をしてみたり、けずってみたりと、ペインティングナイフならではの技法を試してくれました!

 

 

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植木鉢を逆さにしてイチジクを乗せたり、と構図からこだわってくれました。イチジクの裏の模様から花火を連想し、ダブルイメージで描かれています。折り紙のライトグリーンの表現がきれいです。油絵の具がしっかりとのっているので画面に迫力もありますね!

 

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いかがでしたでしょうか。

片付けが少し大変な油絵の具ですが、各々、大人には真似ができない美しさが輝いているのがとても嬉しい課題でした。作品を見た大人の会員の方からも好印象の反響をたくさん頂きました。
8月~9月に筆を使ってじっくりと描く油彩に取り組む予定です。
どうぞお楽しみに!