昭和時代 (チャコールペンシル)、 星の王子様の町 (水彩色鉛筆)

今週は、人物を中心に絵を描いている李さんの作品をご紹介していきたいと思います!

 

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「昭和時代 」 李 ヒヨンさん / 380×540 mm (紙、チャコールペンシル)

〈作者コメント〉    今と変わっているのは何かしら。

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友人の顔を描く合間に、アトリエにあった昭和の写真集を元にして描いたものです。
女優の李麗仙さんが、旦那さんだった唐十郎さんと花園神社で食事をしているという、すごい写真をぱぱっと拡大して描いてくれました!(元写真では、左側に唐十郎さんがいて一緒にご飯を食べています)

写真だとつい人物にばかり目がいってしまいますが、絵にすると、大盛りのご飯や箸の持ち方、座布団、光、木の枝・・・といった風に、見えなかった要素が浮き上がってきます。
女優さんのポーズがちょうど三角形にうまく紙の中に収められつつも、大切な頭部が途切れていて、こんなところでご飯を食べている女優さんの窮屈さが予感させられ、絵としても面白い構図になっています。

チャコールペンシルのざらざらした質感とやわらかい黒の色味が、昭和時代の雰囲気ともぴったり合っていますね。写真をどうするのか、というのが難題ではありますが、シリーズ化したら面白くなりそうな作品だと思います!

 

さて、もうひとつ、李さんのドローイング作品もご紹介いたします。

 

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「星の王子様の町 」 李 ヒヨンさん / 380×540 mm (紙、水彩色鉛筆、アクリル)

〈作者コメント〉     いつか帰りたい.

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余ってしまった時間でその時思いついたものを描いたドローイングです。

「星を描きたい」という簡単な発想から、描いているうちに想像がふくらんで物語性のあるタイトルをつけてくれました。

水彩色鉛筆で星を描いた後、思い切りよく、アクリルの黒と白が入っています。

この「思い切り」というのが、なかなかできなかったりします。作品だと思うとつい慎重になってしまうものですが、軽やかな気持ちでドローイングをすると、意外と次の道が開けたりするものです。水彩色鉛筆だけでは出せなかった勢いが出てくれたのではないでしょうか。

ドローイングなんだけれども、タイトルも入り、李さんの世界感が垣間見えるものに仕上げてくれました!

 

レンガ、電球、パプリカ / デッサン

久しぶりの更新です!

今週は小幡さんの3作目のデッサンをご紹介したいと思います!
 

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「レンガ、電球、パプリカ 」 小幡 美紗さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 物の表面の質感の違いを描きわけるのが難しく 、 そして楽しかったです。

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初めて挑戦した複数モチーフのデッサンですが、まとまりのある素敵な作品に完成しました!

時間をかけてひとつひとつのモチーフを丁寧に仕上げていますが、全体に同時に手を入れながら進めているので、全体のバランスが良く、3つのモチーフにつながりがあるのがとても良いと思います。

レンガに落ちる影と、向こう側からの光をしっかりと観察して描いているおかげで、電球とレンガの間の空間が見えてきますね。

レンガのずっしりとした感じや、電球の硬質な質感もよく表現できていると思います。
パプリカのつるっとした質感がなかなか出ず苦心していましたが、繊細に観察しながら手が入っているので、気持ちを込めて大切に描いたような印象を受けるデッサンとなりました。
 
これからもぜひ、この雰囲気を大事にしながら、絵を楽しんで描いていって欲しいです!

 

 

俳優シリーズ /鉛筆スケッチ

今週は、いつも人物を描いている S.Sakai さんの作品をご紹介したいと思います。
まずはアトリエに持ってきてくれたスケッチブックのスケッチ、俳優シリーズ4点です!

 

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振り向いたななめ横からの長瀬さんです。きりりとした目元が渋くてかっこいいです。いつ見ても2枚目です。

 

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昨年大ブレイクした俳優さんです!
旬の顔を見つけるとなぜか嬉しいものです。

 

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この人の出るドラマはどれも面白い気がします!
これはトリックの時の顔だという声がありました。ドラマ・映画の役柄別で描いてもらいたい人物です。

 

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唯一の女優さんです。女性の顔だとまたちょっと違う印象です。

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「長瀬智也、堺雅人、阿部寛、堀北真希」  S.Sakai さん / SMサイズ(F4より小さい)

〈作者コメント〉 人に喜んでもらえる絵を描きたいと思って、似顔絵を描きだしました。
まずは、ぴあや、ビッグコミックの表紙にならって、俳優さんの顔を描いてみました。正面から描いた阿部寛が、一番難しかったです。いつか、他人の顔がすらすら描けるようになりたいです。

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「なかなか面白い!」 と思いませんか?

テレビで見慣れた人たちをこうして並べて見てみると、顔を絵にするって面白いな~ と、改めて実感させられます。

写真は本人とイコールであるのに対して、絵はまったく同じにはならないので、「どうして同じように見えるのか?」と、ついじーっくりと見てしまいます。人柄(役柄?)というか、「私たちが思っているこの人」という写真では見えない部分が目に入ってくるような気がします。

写真を使ってもっとリアルに描くこともできますが、こういう絵はまったく同じではつまらない。現実とのちょっとした振れ幅が面白い絵だと思います。

 

とはいえ、いざやってみると、ここまで似せて描くのは本当に大変だと思います。
うまく描けても、なかなか本人に似てくれません。

今後のS.Sakai さんの展開が楽しみです。
絵の具に移行しても、ぜひ続けていって欲しい人物スケッチです。

 

 

お気に入り adidas /デッサン

引き続き、小林さんのデッサンをご紹介します。

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「お気に入り adidas」 小林 幸恵さん  B3(紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 いつもの履き方でひもをグルグルにしたら難しくなりました。
こちらに向いている方のスニーカーも苦労したもののひとつ。できあがった時は達成感がありました!
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完成度の高いスニーカーのデッサンです。
仕上げてくれてとても嬉しいです。

靴は左右で同じ大きさであるはずなのに、向いている方向によって形や長さが全然違います。 頭の中にある靴の形の固定観念を崩すことができるかが勝負どころです。
とはいえ、実際に描くのは難しく、なかなか思う方向を向いてはくれません。

今回も右側のスニーカーがなかなかこちらを向いてくれず大変でしたが、
最後の最後まで本当に粘り強く修正してくれました。

その甲斐あってか、隅々まで手の届いた、気持ちのよいデッサンとなってくれました!

レザー部分や表面のヨレなど、質感もしっかりと表現されています。
説得力のある良いデッサンだと思います。

 

 

電球とレンガとナス / デッサン

今週は、いつも丁寧に作品を仕上げてくれる小林さんのデッサンをご紹介します!

 

 

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「電球とレンガとナス」 小林 幸恵さん  B3(紙、鉛筆)
〈作者コメント〉 なすがかわいくて、手をかけました。

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電球とレンガとナス、ひとつひとつを丁寧に観察しながら進めていったことがよく伝わってくるデッサンです。
与えられた課題でも、それぞれのモチーフを大切にすることは作品全体の質を上げるものだなと思わせられました。

ご本人のコメント通り、ナスには特に愛着が感じられて、生き生きとした描写が好感を持てます!
(写真だと細かいところが見れず残念です・・・)

小林さんは「抽象画を描きたい」と言ってアトリエに来てくれていますが、写実的な描写にも時間をゆっくりかけ、1枚1枚を着実に仕上げています。小林さんの描く抽象画も楽しみですが、また機会があれば、今度はモチーフをもっと増やしたデッサンを描いてもらいたいです!