静物画 ~連作ドローイング課題

現在アトリエで展示中の、小島さんのドローイング作品をご紹介いたします!
カリキュラム課題のうちの、ドローイングの連作課題です。
 
まずはリンゴをモチーフに、どのような描き方ができるかのエクササイズを行いました。

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リンゴの数を増やしてみたり、輪郭線だけ追ってみたり、上から見たり・・・・といろいろなアイディアが出てきました。机の線をヒントに練られた構図と、クレヨン+水彩の組み合わせが絶妙です!

 

エクササイズを終えたところで、各自でテーマを決め、大・小あわせて7、8枚の作品を制作していきます。
今回の小島さんのテーマは、「様々な画材や支持体で静物画を描くこと」でした。

 

【展示風景】

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(上段左から)紙に色鉛筆+水彩/板に油彩/紙にクレヨン
(下段左から)紙に水彩/紙にクレヨン
 

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(上段左から)木片にクレヨン+色鉛筆、木片/紙にアクリル
(下段)キャンバスにアクリル
 

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『いろんな静物画』
小島史子

・いろいろな静物の雰囲気を出したいなと思いました。
・画材道具も、全て違うものを使って、出来上がりがどんなかを自分でも楽しみにしていました。カリキュラムでアトリエに飾ってもらったんですけれど、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
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作品1枚1枚がそれぞれ楽しそうに描かれていて、リズム感がおもしろい連作です!
「こういうの描いてみようかな」なんて刺激を受けてしまいますね。
通常、展覧会では、油彩は油彩、水彩は水彩、と分けて展示されます。お互いに干渉してしまったり、例えば油彩の隣にあると、水彩の繊細な良さが見えづらくなってしまうのが普通です。
そんな常識に対抗するかのように、様々な画材が同等の扱いで横に並んでいます。
モチーフの扱いも、描写的だったり、装飾的だったり、画材の特性を活かしてみたり、、、、と、様々なアプロ―チをおおらかな印象で試しているのがとても魅力的だと思います。
そのちぐはぐさと、それぞれの画材の面白さにリズムがあって、なんだかどきどきわくわくさせられる連作となりました。

作品サイズが大きく違うものもありながら、モチーフを同じ距離から捉えたものが多いです。
作品のサイズと一緒にモチーフも伸び縮みしており、とても小さな静物の隣にあると、キャンバスの静物がとても巨大に見えてくる面白さもありますね!

 

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板に下地を塗って描かれた油彩です。油絵の具らしいタッチが魅力的です。

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赤紫系統で統一感のある水彩と、ライトグリーンのクレヨン画は輪郭の妙!という作品でした。

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手のひらサイズの作品です。サイズ感のかわいらしさと、装飾的なアプローチが合っています!

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1枚の良い作品を作る姿勢はとても大切ですが、いくつかの作品をまとめて見ることでしか見えてこない”良さ”というのもあるのではと思います。
作者がどんなことに興味があって、どんなことを伝えたいのか。組み合わせて見ることで、「その人らしさ」のようなものが立体的に浮かび上がってきます。
肩肘張らずに描くことができるドローイング的な作品は、作者の視点や思考過程を見るという意味でも、非常に興味深いツールなのではないでしょうか。

小島さんの作品は1月末まで展示しておりますので、アトリエにお越しの際はぜひぜひご観賞ください!

タブノキ 秋の動物園 ~Part.2

タブノキ 秋の動物園 ~Part.2

お待たせいたしました!
夏から続いていた動物シリーズ、最終回の第4弾です!!
4名による6作品をご紹介いたします。

 

KANG
「まだ歩きたくないの!」
水彩、パステル、紙 / 荒井千華子さん

 

 

kamome
「湖とカモメ」
水彩色鉛筆、紙 / 岡村光さん

 

shirokuman
「シロクマの親子」
水彩色鉛筆、紙 / 岡村光さん

 

 

roba
「眠そうなロバ」
鉛筆、紙 / 柿嶋圭子さん

 

 

kotori
「cotori」
色鉛筆、紙 / 濱田望さん

 

ushi
「んモォ~~」
水彩、色鉛筆、紙 / 濱田望さん

 

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今回は秋らしく、どこかしっとりとした、柔らかな雰囲気の良作が集まりました!
数名が集まると、各作品が持つひとつひとつの魅力がより際立って見えてきますね。

モチーフ選びから、作品は始まっているなと実感する第4弾でした。自分の視点で選んだ写真の魅力を、描いていくうちに忘れることなくどうやって表現できるか、というのが、とても重要だと思います。

動物シリーズでは、モチーフの写真から作者に選んでもらっています。
風景の大きく入った写真を選ぶ人、ボリューム感や羽の表情など近い視点で対象を捉える人、正確に丁寧に描いていく人、絵の具をどんどんのせていく人、薄塗りの人・・・・絵を描くと作者の視点がとてもよく表れます。
自分なりの視点を知って、その強みをうまく引き出せるような表現を模索することこそ、絵を描くということなのかもしれません!

今年のタブノキ動物園はこれで終了となります。
次回シリーズをどうぞお楽しみに!!

タブノキ 秋の動物園 ~Part.1

タブノキ 秋の動物園 ~Part.1

夏に第1弾、2弾をご紹介した動物シリーズの続きです!
朝と夜はがらりと涼しくなり、秋の気配もだいぶ近づいてきましたね。

今回も、クーピーからアクリルガッシュ、水彩絵の具まで、幅広い画材で描かれた作品たちが集まりました!
(各作品サイズ: 38㎝×27㎝程度)

 

datyou
「わらわら」
クーピー、紙 / 小幡 美紗さん

 

 

zou
「ぞうさんとこぞう」
クーピー、紙 / 小幡 美紗さん

 

 

 

ushi
「茶色い牛」
アクリルガッシュ、紙 / 菊地 久仁子さん

 

 

inko
「虹色のオウム」
アクリルガッシュ・水彩、紙 / 菊地 久仁子さん

 

 

 

saru
「あつまれ~」
色鉛筆、紙 / 四辻 秋桜さん

 

 

 

tanuki
「見つめるたぬき」
水彩色鉛筆・アクリル、紙 / 藤本 泉さん

 

 

kuzyaku
「夢」
水彩色鉛筆、紙 / 藤本 泉さん

 

 

どの作品も、それぞれの魅力が光っていますね!
薄塗りから厚塗り、線、余白と、個性豊かで見ごたえのある7作品となりました。

時間をかけて絵具層が重ねられた絵も良いですが、短時間で仕上げたドローイングは、タブローにはない新鮮さと勢いがあり、制作についての新しい発見があるのではないでしょうか。

よりフレッシュな気分で描けるという面では、モチーフに対する印象や想いが表現されやすいような気もします!

最終回となる第4弾は、10月頃に公開予定です!

タブノキ 夏の動物園 ~Part.1

タブノキ 夏の動物園 ~Part.1

夏は動物園に行きたくなります!
皆さんの制作の合間を縫って、タイミングの合った方に、好きな画材で動物をモチーフに描いてもらいました。
できるだけ2つ以上の画材を組み合わせた表現で、短時間で仕上げる、どちらかというとドローイングに近い作品たちをご紹介いたします!

(作品サイズ:各38×27cm程度)

 

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「キツネザル」
小島史子さん  水彩、色鉛筆/紙

 

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「りす」
小島史子さん  アクリル、クレヨン/紙

 

 

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「Tiger」
塩谷佐弥さん  アクリルガッシュ、コンテ/紙

 

 

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「遠く」
四辻秋桜さん  色鉛筆、マーカー/紙

 

 

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「かば」
菊地久仁子さん  水彩、ペン、クレヨン/紙

 

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「しまうま」
菊地久仁子さん  水彩、ペン、クレヨン/紙

 

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絵の具やマーカーの「塗り」に対して、クレヨンや色鉛筆による「線」的な要素が加わり、絵の具だけで構成する画面とは一味違った面白さがありますね!

part.2も続けてどうぞ!

似顔絵スケッチ part.1

新年おめでとうございます。
2015年第1弾は、S.Sakai さんの似顔絵スケッチをご紹介いたします!
昨年の暮れ頃に数回に分けて描いてもらったものの中から、数枚をピックアップしてみました!

 

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左端は麻生太郎さん、残りは有名な女優さんです。
右端が天海祐希さんで、中央は少し懐かしい正統派女優の・・・・・
喉元までお名前が出かかって、どうしても思い出せません。分かった方、ぜひ教えてください。

 

次はスポーツ選手シリーズです。
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左から、
相撲の朝青竜さん、なでしこジャパンの澤穂希選手、水泳の北島康介選手です。
スポーツ選手は絵に動きがあって見ごたえがあります!あの感動が思い起こされますね!

 

続いて芸能人シリーズです。
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歌手をテーマに集めた日だったのですが、左端だけ俳優さんです。最近ご活躍中の俳優さんで、こちらはビタミンドリンクのCMからのピックアップです。
中央はきゃりーぱみゅぱみゅさん、右は桑田佳祐さん。
紅白で歌った曲が人気を集めているそうですね!

 

最後におまけとして政治家を入れてみました。
政治家が笑っていると怖いからか・・・二人ともむっつりな表情が他の似顔絵と比較してなんだか心くすぐりますね。
小道具を入れるとぐっと世界が広がります!

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S.Sakai さん / 似顔絵スケッチpart.1   A4サイズ (油性ペン・色鉛筆、紙)

〈作者コメント〉似顔絵検定対策に、時間を決めて、似顔絵を描く練習をしました。
5分、10分、20分と、短い時間から始めていくと、顔全体の大まかな特徴をとらえるいい訓練になりました。
友達の結婚式のウェルカムボードに似顔絵を描くのにも、自身になりました。

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今回は以上です。
似顔絵を集めるとなんだかわくわくして楽しんでしまいますね!
S.Sakaiさんの似顔絵はさすが描き慣れていることもあり、とても安心感があります。
これまでは鉛筆だけでしたが、ペンや色が入ってきたことで、さらにブラッシュアップされたのではないでしょうか!

ちなみに前回の俳優シリーズはこちらをどうぞ ▼俳優シリーズ /鉛筆スケッチ
(こちらもまた違ったテイストになっています。)

part.2はいつになるか分かりませんが、ストックがたまってきたらまたご紹介したいと思います。

どうぞ、お楽しみに!

一日のはじまり / 色鉛筆

先日の展覧会で色鉛筆の作品を展示した、大西絵里子さんの新作をご紹介いたします!
前回のフラミンゴに続き、今回はアフリカ象をテーマにした作品です。

 

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「一日のはじまり」 大西 絵里子 さん 275×375 mm (色鉛筆、紙)

〈作者コメント〉空と象・草原のシルエットの対比がキレイだったのでこの写真を選びました。
青単色のイメージの空を描くのがとても難しかったですが、色を抜いて重ねてを繰り返して何とか空を描くことができたと思います。

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象の鳴き声や現地の「音」が聞こえてきそうな作品です。

表情が豊かなシルエットに、象の一日一日の物語を想起させられました。 遠くの地平線から登る太陽がまぶしく、象や木の枝に反射する光がとても美しく描かれています!

広く、遠くまで続く空の遠近感を表現するのは難しかったはずですが、近くの空の雲と、遠くの空の雲が見事に描き分けられ、広大な世界の広がりが伝わってきますね。

元ネタのポストカードは、青(空)と黒(シルエット)のはっきりとした対比が面白い写真でしたが、真黒なシルエットの中にある微妙な光を見逃さず、様々な色を重ねて描かれた黒の面は、色鉛筆ならではの良さが活かされているのではないでしょうか。

遠くまで続く空と象、光。小さな紙に広大な土地。絞られたテーマのうちに、ぎゅっと時間が凝縮されたような魅力が光る作品だと思います!

こんな場所へ、行きたくなってしまいますね。

 

大西さんの次回作も動物でしょうか。
斯うご期待です!!