緑葉 猫 原っぱ / アクリル

秋口からアトリエで絵を描き始めた、勝田さんのアクリル画をご紹介します!

静物画を描き、絵の具の使い方がざっくりと分かったところで挑戦した、2枚目のアクリル画です。(印象派を意識してみようというカリキュラム課題でもあります。)

 

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「緑葉 猫 原っぱ」 /  勝田伸治 さん / アクリル、キャンバス(F6)

〈作者コメント〉
思うまま感じるままに描いてみようと思い描きました。
夢の中の景色のような
なんというか
いい意味で不思議な感じに描けたかな
なんて思っています。

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猫と草原という牧歌的なモチーフですが、どこか、不思議な印象を与える絵に仕上がりました。
居心地の悪い場所に置かれた猫が、ちょっと透けていたり、顔がよく見えないのでついつい二度見してしまう。すると、草原や土の中に詰め込まれた豊かな色彩が目に入ってきて、今度は三度見してしまう。そんな不思議な作品だと思います。

 
草原の緑に対して画面下部に強く赤い土のラインが入っていたり、左上の光に対して右上の三角の緑から斜めの線が入り右下は日陰になっていたりと、画面の抽象性に引きずられずに、構図が複雑に交差し合っているのが面白いですね。

本物らしい土を描くならば、もう少し彩度が落ちた色になりますが、勝田さんは、≪緑に対してどの色がここに置かれるべきか≫を考えて少し彩度の高い赤を置いています。
昔公園で撮ったポラロイド写真が参考になっていますが、ただ写真を「模倣する」のではなく、その先の「絵を描く」ということを考えてくれました。

描くことは初心者の勝田さんですが、いろいろな絵を見てきたのかな、という経験が活かされた、絵画性がきらりと光る作品だと思います!

錦織圭(テニス選手)/ 色鉛筆

続いてS.Sakai さんのスポーツ選手シリーズです。色鉛筆の作品です。

 

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「錦織 圭   選手」  S.Sakai さん / 色鉛筆、紙 (八切り)

〈作者コメント〉 最近、テニスで世界ランク ベスト4のフェデラ―選手を倒したことで絶好調の錦織圭選手を、色鉛筆で描いてみました。
バックハンドストロークのインパクトのシーンですが、動きや表情に注目して描きました。
是非、錦織選手の今後に期待したいと思います。

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色鉛筆による2枚目の作品です。
とりわけ表情にはこだわりを感じさせます。肌や髪の部分の、丁寧に観察された描写とやわらかい表現が気持ちの良い絵です。

頭部の回り込み(輪郭の向こう側にまわり込んでいく部分)をしっかり追っているので、鼻から耳、その後ろの髪までの奥行きが感じられます。

両手がこちら側に向かって伸びている非常に難しい構図ですが、
速い球とラケットのブレが画面の中心に動きを作り、インパクトの瞬間の緊迫感が伝わってくる絵に仕上がっています!

顔と球のインパクト部分がしっかり描き起こされているので、自然と視線が誘導されます。
スポーツ選手ならではの、動きのある画面に挑戦してくれました!

 

俳優シリーズ /鉛筆スケッチ

今週は、いつも人物を描いている S.Sakai さんの作品をご紹介したいと思います。
まずはアトリエに持ってきてくれたスケッチブックのスケッチ、俳優シリーズ4点です!

 

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振り向いたななめ横からの長瀬さんです。きりりとした目元が渋くてかっこいいです。いつ見ても2枚目です。

 

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昨年大ブレイクした俳優さんです!
旬の顔を見つけるとなぜか嬉しいものです。

 

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この人の出るドラマはどれも面白い気がします!
これはトリックの時の顔だという声がありました。ドラマ・映画の役柄別で描いてもらいたい人物です。

 

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唯一の女優さんです。女性の顔だとまたちょっと違う印象です。

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「長瀬智也、堺雅人、阿部寛、堀北真希」  S.Sakai さん / SMサイズ(F4より小さい)

〈作者コメント〉 人に喜んでもらえる絵を描きたいと思って、似顔絵を描きだしました。
まずは、ぴあや、ビッグコミックの表紙にならって、俳優さんの顔を描いてみました。正面から描いた阿部寛が、一番難しかったです。いつか、他人の顔がすらすら描けるようになりたいです。

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「なかなか面白い!」 と思いませんか?

テレビで見慣れた人たちをこうして並べて見てみると、顔を絵にするって面白いな~ と、改めて実感させられます。

写真は本人とイコールであるのに対して、絵はまったく同じにはならないので、「どうして同じように見えるのか?」と、ついじーっくりと見てしまいます。人柄(役柄?)というか、「私たちが思っているこの人」という写真では見えない部分が目に入ってくるような気がします。

写真を使ってもっとリアルに描くこともできますが、こういう絵はまったく同じではつまらない。現実とのちょっとした振れ幅が面白い絵だと思います。

 

とはいえ、いざやってみると、ここまで似せて描くのは本当に大変だと思います。
うまく描けても、なかなか本人に似てくれません。

今後のS.Sakai さんの展開が楽しみです。
絵の具に移行しても、ぜひ続けていって欲しい人物スケッチです。