「ケムリ」のドローイング ~アトリエで展示中です!

K3_web

現在、土曜日クラスの勝田伸治さんのドローイング作品を、アトリエ内で展示しております!「ケムリ」にテーマを絞り、カラフルでポップな空間を作ってくれました。
 
●ドローイング課題について●
カリキュラム入門編の最後の課題は、実はドローイングです。
ひとつのタブロー作品を完成させるのではなく、何枚かのドローイングを描き、気に入ったものを選んでアトリエ内で2ヶ月間程展示します。
たくさん描いて欲しい、というのもありますが、自分の制作をまとまった形で制作し、少し大きな視点で捉えていく試みでもあります!

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

K6_web
※※画像はすべて、クリックすると大きな画像が見られます。
 
勝田伸治 『ケムリ』 (アトリエ内展示すべてで)
/アクリル、鉛筆、紙

__________________________
●作者コメント●

「ケムリ」をモチーフに色々と描いてみました。
何故、「ケムリ」なのか・・・特に意味はないです。
「ケムリ」の形がおもしろいと思い描いてみました。
雲のように見えるものも一応「ケムリ」です。
それぞれの作品については、
見ていただいた方 それぞれに
何か感じてもらえればなぁと思っております。
__________________________
 
よーく見ると、実はすべて、もくもくしたケムリですね!
リング型の立体にもケムリが並んでいるのに気がつくと、ふふっと口元が緩んでしまいます。
上の画像は、上下の作品が同じ構図になっています。下の段はラフスケッチで、上の段は本画のようなイメージですが、白い部分の多いラフと、きっちりと描かれた本画との落差やリズム感が面白い展示になっています。

K5_web
(内側にも外側にもケムリが並んでいますよ!)

+++
 
K1_web
 
アクリル絵の具です。海の向こうに浮かんだケムリのようです。
空、海、水面に映るケムリ、の3つは同系色で、実際のケムリだけ色味が違います。
色彩のトリックに、おもわず何度も見てしまう、不思議な強さのあるペア作品です。
 
+++
 
K2_web
 
鉛筆とアクリル絵の具、クレヨンです。
薄く塗ったアクリル絵の具の下から透けて見える鉛筆の線を、効果的に見せようという試みでもあります。
ここでは「ケムリ」の線がなんと分解され、部品となって空間を作っています。
部品が粉々になったり、増殖したり・・・・1枚1枚の面白さもありますが、大小様々な構成と色彩でテトリスのように配置され、展示ならではの楽しさがありますね。
 
+++
 
K4_web
 
最後はこちら10cm角の3つの組作品です。
ケムリの一番下の根っこのような部分がクローズアップされています。
同じ構図で同じ3色を使い、配色の位置だけ変えられています。
ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルのような、繰り返しに潜むちょっとした変化が魅力的な作品ですね!
 
+++++++++++++++++++++
 
 
いかがでしたでしょうか。
作者の勝田さんは去年の秋頃、新幹線から見える野焼きの煙の風景をポップに描かれていましたが、その煙から、こんなに多くの展開が生まれるとは思いもよりませんでした。
 
このケムリから派生したドローイング、実は他にもたくさんある中から、作者がテーマを絞って選び、展示しています。
隙間からケムリが出ていたり、パズルのピースのように2つを組み合わせて見せる作品など、「ケムリ」という1つのモチーフに焦点を絞って(絞ったからこそ?)、絵ってどんなことができるのかな?という問題に取り組まれたのではないかと思われます!
 
ただのケムリを侮ることなかれ、シンプルなモチーフにも関わらず、メリハリのある、不思議な世界観の展示空間となりました!!
 
 
 
※5月末まで展示予定です。
アトリエにお越しの際はぜひご高覧ください!