【速報】第53回神奈川県美術展 入選!!

この度、金曜日ナイトクラスの高木一文さんが、神奈川県美術展の写真部門に入選されました。

入選おめでとうございます!!

 

現在、神奈川県民ホールギャラリーにて入選作品展が開催されています。

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第53回神奈川県美術展
2期展【工芸・書・写真】
平成29年6月24日(土)~7月1日(土)
午前10:00~午後6:00(最終日は午後2時まで)

■場所
神奈川県民ホールギャラリー
横浜市中区下町3-1
みなとみらい線 日本大通り駅 3番出口より徒歩8分

▼展覧会詳細

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高木くんは今年の始めに読売新聞主催の写真公募展にも入選されていましたが、引き続き活躍中ですね!

 

会期は来週末までです。ご興味のある方はぜひおでかけください!

作品紹介~油彩(2)「お花の香りを運ぶ心地良い風が吹いています」

続いて、モンドリアンのアーモンドの木を参考とする抽象画の課題からの作品です。
こちらは自画像とは正反対の、同系色の柔らかなトーンとなりました。

 

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「お花の香りを運ぶ心地良い風が吹いています」/油彩、キャンバス
平田めぐみ
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(作者コメント)

真夏に思考が停止してしまった
おりの中に暮らす
ありくいが、はじめてお花を
見つけた時の風景
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菜の花を連想させるような、黄色で統一された画面が華やかですね。
風景はどこにも描かれていないはずなのに、まぶしい光と草原が見えてくるようです!

アリクイの写真と、「パステル調の作品にしたい」というざっくりとしたイメージからスタートしたこの作品。
左側に、檻の向こうのアリクイのシルエットがあり、右側には草花のようなものが広がっています。檻も、草花も、なんとなくそれと分かるようなヒントがありつつも、アリクイも含めて全てが黄系の世界に包まれています。
きっと、おりの中にはない、アリクイの想像の中にだけある草原なのかもしれません。

(部分拡大)
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おりの部分はナイフで厚塗りです。

 

全体として見ると「黄色い絵」に見えますが、実際はグレーだったり、黄土、茶色と、少しずつ色味の変化がありますね。植物の中にひそむグリーンも効果的です。
絵を描く時に、白いパレット上の色と、制作中のキャンバス上の色とでは、だいぶ色が違って見えることに戸惑った経験のある方も多いのでは。
繊細なトーンの変化が、とても魅力的な作品だと思います。

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いかがでしたでしょうか。

力強さとインパクトのある自画像と、
明るく繊細なトーンが魅力的なアリクイの作品。

厚塗りなど共通点はありながらも、正反対の印象を受ける2作品です。どちらも捨てがたい面白さが見え隠れしていますね!
平田さんの今後の作品展開がどうなるのか、とても楽しみにしております!!

作品紹介~油彩(1)「自画像2010」

今回は、金曜日ナイトクラスの平田めぐみさんの油彩作品2点をご紹介します!!
ともにカリキュラムの課題のひとつですが、平田さんは課題の意図を消化しつつも、どのように表現するか自分の中で一度かみ砕いたうえで、自分の「作品」らしく完成してくださいました!

 

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「自画像2010」/油彩、キャンバス
平田めぐみ
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(作者コメント)

マティスの赤とわかめをリスペクトして
興味のかたまりだった
2010の自分
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印象的な自画像です。
マティスのフォービスムおよびドイツ表現主義の課題作品ですが、顔の部分は立体的に捉えているのに、背景には平面的な模様が原色に近い色と厚塗りで配置されていたり、なんだか見れば見るほど面白くなってくる作品だと思います。

大胆に配置されたのっぺりとした黒い髪と、顔の厚塗り、そしてざっくりと描かれた服と背景は、それぞれ描き方の密度が異なります。
よく見るとちぐはぐにも思える要素が、本当に絶妙なバランスで保たれていますね!
エリザベ・スペイトンやミヒャエル・ボレマンスのようにタッチを残しながら絵を「完成」させるのは、一見簡単な作業に見えて、いざやってみるととても難しいことが分かります。

また、背景の色彩と模様は、マティスからのイメージです。赤の下に見え隠れする黄緑が効いていますね。

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実はこの作品、一度完成してから1,2ヶ月程おいた後に、さらに手を加えて完成となりました。冷却期間を置きながら、じーっくりと検討された上で「これでよし」とされた作品ならではの、有無を言わせぬ説得力があります!!

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(絵の具のマチエールが魅力的です)