『牛乳パック』 『植木鉢、木片、布』 / 鉛筆、紙

今回は、毎週デッサンに取り組んでいる柿嶋圭子さんの作品をご紹介していきたいと思います!

まずは、タブノキで初めて描いてもらった単体デッサンです。

 

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「牛乳パック 」 柿嶋 圭子 さん 380×270 mm (鉛筆、紙)

〈作者コメント〉 教室に通い始めて最初に描いた作品です。十数年ぶりのデッサンなので、緊張しながら描いていました。できる限り写実を目指した作品です。

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文字やデザインも入れて完成させています。
リサイクルマークが工業製品らしいポイントになっていますね。
青と白のメリハリが利いた見やすいデッサンです。

経験したことのある方は分かると思いますが、印刷された文字やデザインを写して描くのは、結構大変です。面の傾きに文字の傾きも合わせなければいけないので、難易度が高い作業です。根気が要ります。
そのため、文字は簡略化して大丈夫ですよ、とお伝えしていますが、たまに文字をいれて、腰を据えて描いてくれる人がいます。

柿嶋さんも、じっくりと取り組んでくれました。

写真だとよく見えないのですが、青い部分のコーティングされた紙の質感なども丁寧に追ってキリリとした表情になっています。
 
記念の一枚です!

 

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続いて、植木鉢とコーヒー蓋の木片で構成された課題デッサンです。

 

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「植木鉢、木片、布 」 柿嶋 圭子 さん 380×540 mm (鉛筆、紙)

〈作者コメント〉 植木鉢と木片と布、3つも時間内に描ききれるかな、と思いつつ進めた憶えがあります。質感の違いはデッサンの重要な要素の一つですが、表現できたかな、と自画自賛した一枚です。

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この課題のポイントは植木鉢、木片、布の3つに囲まれた空間を表現することにあります。
木片から落ちる影と、向こう側の空間から差し込む光がよく観察されているのが分かりますね。
植木鉢の入口と布の上の空間の表情もきれいです。

細かい光の加減を丁寧に追うことで、木片と、植木鉢の質感の違いも明確にしています。
木片の直線がしっかりと処理してあるので、木の重みも伝わってきますね。

比較的短時間で仕上げてもらいましたが、細かいところに手の行き届いたデッサンに仕上がりました!

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次回に続きます・・

 

 

「電球、ライムとれんが」「植木鉢と板」 / デッサン

今週は井村さんの作品をいくつかご紹介します!

まずは、デッサンカリキュラムでお馴染みのレンガと電球の組み合わせデッサンです。

 

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「電球、ライムとれんが 」 井村 三佳さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 電球の形、透明感、光り具合にはじめは大変苦労しましたが、対象物をしっかり見てじっくり描きこんでいくと、きちんと表現できることを学びました。

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あっという間に描き上げてくれたデッサンでした!井村さんは、間違っていても恐れずに、思い切りよくざくざく描いていきます。そのため、早い段階で全体像が見えて来るので、レンガや電球の形のゆがみの修正も比較的容易にこなされていました。

なんと2枚目のデッサンですが、全体に同じように手が届き(これが意外とできない人が多いのです!)まとまりがありますね。接点や影などのモチーフ同士の関係性も、よく見ながら客観的に対象を把握しています。

とりわけ、レンガとライムの描き分けがとてもよくできていると思います。

濃い緑色のライムと赤いレンガの明度が似ているため、同じような質感になってしまいがちですが、ライムの表面の小さなでこぼこを丁寧に追っているので、同じ鉛筆の濃さでも一目で違いが分かります。

布の白さをポイントにして、メリハリのあるデッサンに仕上がっています!

 

あわせてもう一枚、デッサンをご紹介します。

 

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「 植木鉢と板 」 井村 三佳さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 植木鉢の形や奥行きを表現するのに苦労しましたが、先生のアドバイスに従っていくうちに自然と出来上がってきて描いていて楽しかったです。

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こちらもさくさくと形を捉えてくれました。板はコーヒーの樽蓋の木片ですが、長さがあるため紙に収めるのが少し難しいモチーフです。
植木鉢の手前から外縁の底への奥行きや、底の形を取るのに皆がひっかかるところなのですが、違和感なく仕上がっています。側面の直線から底の曲線への入り方も、とてもよく観察して描けています。

植木鉢の外側の光を丁寧に見ているので、向こう側へまわりこんでいく感じが伝わってきますね。

円が少しよたよたしてしまっているのが残念ですが、内側と外側の整合性は捉えられています。3つのモチーフの色の違いなど、大きな塊としての描き分けもできています。
荒削りなのにも関わらず、大切な要所要所がしっかりと抑えられているので、とても説得力のあるデッサンになったと思います!