作品紹介~油彩(2)「お花の香りを運ぶ心地良い風が吹いています」

続いて、モンドリアンのアーモンドの木を参考とする抽象画の課題からの作品です。
こちらは自画像とは正反対の、同系色の柔らかなトーンとなりました。

 

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「お花の香りを運ぶ心地良い風が吹いています」/油彩、キャンバス
平田めぐみ
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(作者コメント)

真夏に思考が停止してしまった
おりの中に暮らす
ありくいが、はじめてお花を
見つけた時の風景
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菜の花を連想させるような、黄色で統一された画面が華やかですね。
風景はどこにも描かれていないはずなのに、まぶしい光と草原が見えてくるようです!

アリクイの写真と、「パステル調の作品にしたい」というざっくりとしたイメージからスタートしたこの作品。
左側に、檻の向こうのアリクイのシルエットがあり、右側には草花のようなものが広がっています。檻も、草花も、なんとなくそれと分かるようなヒントがありつつも、アリクイも含めて全てが黄系の世界に包まれています。
きっと、おりの中にはない、アリクイの想像の中にだけある草原なのかもしれません。

(部分拡大)
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おりの部分はナイフで厚塗りです。

 

全体として見ると「黄色い絵」に見えますが、実際はグレーだったり、黄土、茶色と、少しずつ色味の変化がありますね。植物の中にひそむグリーンも効果的です。
絵を描く時に、白いパレット上の色と、制作中のキャンバス上の色とでは、だいぶ色が違って見えることに戸惑った経験のある方も多いのでは。
繊細なトーンの変化が、とても魅力的な作品だと思います。

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いかがでしたでしょうか。

力強さとインパクトのある自画像と、
明るく繊細なトーンが魅力的なアリクイの作品。

厚塗りなど共通点はありながらも、正反対の印象を受ける2作品です。どちらも捨てがたい面白さが見え隠れしていますね!
平田さんの今後の作品展開がどうなるのか、とても楽しみにしております!!

動物塑像♪

久しぶりの作品紹介です。
土曜日クラスの塩谷さんによる立体作品が完成しました!
芯材のワイヤーから手作りで制作した、ペンギン親子の動物塑像をご紹介いたします。

 

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「First Stage」  塩谷 さん/粘土に着彩
氷を舞台に見立てて、ペンギン親子におめかしした服を着せてみました。
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南極の皇帝ペンギンの親子です!
子供を気にかけて真横を向いた親ペンギンと、楽しげに正面を見る子ペンギンの配置に、立体ならではの面白さがありますね。
台の手前は氷ですが、奥は舞台のどん帳になっています。
親子ともに、ピアノの鍵盤や音符模様の燕尾服を着せて、粋な演出をしてくれました!

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ペンギンに歌謡ショーのイメージが加わると、ぐっと世界観も広がりますね。
イエローとライトブルーの組み合わせなど、夏を予感させるような色の組み合わせもうまいです。
(ズボンの縦ストライプや吊りズボンなど細かな部分をぜひ見て欲しい作品です!)

 

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絵を描いている人も、粘土に触れる機会はなかなかないのではないでしょうか。

手で直接作っていく面白さはもちろんですが、いざやってみると、絵では捉えていなかった側面や背面について考えたりと、360度の方向から作品を制作するのはとても新鮮です!

また、重心のバランスなど、粘土は予想以上に難しいです。やりがいもあるので、ぜひぜひ皆さん挑戦してみてください!

タブノキ 秋の動物園 ~Part.2

タブノキ 秋の動物園 ~Part.2

お待たせいたしました!
夏から続いていた動物シリーズ、最終回の第4弾です!!
4名による6作品をご紹介いたします。

 

KANG
「まだ歩きたくないの!」
水彩、パステル、紙 / 荒井千華子さん

 

 

kamome
「湖とカモメ」
水彩色鉛筆、紙 / 岡村光さん

 

shirokuman
「シロクマの親子」
水彩色鉛筆、紙 / 岡村光さん

 

 

roba
「眠そうなロバ」
鉛筆、紙 / 柿嶋圭子さん

 

 

kotori
「cotori」
色鉛筆、紙 / 濱田望さん

 

ushi
「んモォ~~」
水彩、色鉛筆、紙 / 濱田望さん

 

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今回は秋らしく、どこかしっとりとした、柔らかな雰囲気の良作が集まりました!
数名が集まると、各作品が持つひとつひとつの魅力がより際立って見えてきますね。

モチーフ選びから、作品は始まっているなと実感する第4弾でした。自分の視点で選んだ写真の魅力を、描いていくうちに忘れることなくどうやって表現できるか、というのが、とても重要だと思います。

動物シリーズでは、モチーフの写真から作者に選んでもらっています。
風景の大きく入った写真を選ぶ人、ボリューム感や羽の表情など近い視点で対象を捉える人、正確に丁寧に描いていく人、絵の具をどんどんのせていく人、薄塗りの人・・・・絵を描くと作者の視点がとてもよく表れます。
自分なりの視点を知って、その強みをうまく引き出せるような表現を模索することこそ、絵を描くということなのかもしれません!

今年のタブノキ動物園はこれで終了となります。
次回シリーズをどうぞお楽しみに!!

「第48回 KFSアート・コンテスト」準入選!

小島史子さん「第48回 KFS アート・コンテスト」準入選!!

またまた速報です。
金曜日デイクラスの小島史子さんが、この度「第48回KFSアート・コンテスト」に準入選されました!

 

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「かわいいアリクイ」
アクリル、キャンバス 72.7×60.6㎝ /小島史子さん

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準入選おめでとうございます!!
大胆に切り取った3匹のアリクイの連続性と、作者独特の視点が非常に面白い作品だと思います。

アリクイの隙間から覗く表情豊かなサトイモの葉のおかげで、世界観もぐっと広がりますね。
写真だと小さくて分かりづらいかもしれませんが、画面下部には、小さな3匹の蟻が歩いています。
かわいいアリクイと、食べられてしまいそうなかわいい蟻の関係がどこかユーモラスでもあり、
作品にさらに奥行きを与えています!

 

小島さんの今後の作品も楽しみですね。
御活躍に斯うご期待です!

タブノキ 秋の動物園 ~Part.1

タブノキ 秋の動物園 ~Part.1

夏に第1弾、2弾をご紹介した動物シリーズの続きです!
朝と夜はがらりと涼しくなり、秋の気配もだいぶ近づいてきましたね。

今回も、クーピーからアクリルガッシュ、水彩絵の具まで、幅広い画材で描かれた作品たちが集まりました!
(各作品サイズ: 38㎝×27㎝程度)

 

datyou
「わらわら」
クーピー、紙 / 小幡 美紗さん

 

 

zou
「ぞうさんとこぞう」
クーピー、紙 / 小幡 美紗さん

 

 

 

ushi
「茶色い牛」
アクリルガッシュ、紙 / 菊地 久仁子さん

 

 

inko
「虹色のオウム」
アクリルガッシュ・水彩、紙 / 菊地 久仁子さん

 

 

 

saru
「あつまれ~」
色鉛筆、紙 / 四辻 秋桜さん

 

 

 

tanuki
「見つめるたぬき」
水彩色鉛筆・アクリル、紙 / 藤本 泉さん

 

 

kuzyaku
「夢」
水彩色鉛筆、紙 / 藤本 泉さん

 

 

どの作品も、それぞれの魅力が光っていますね!
薄塗りから厚塗り、線、余白と、個性豊かで見ごたえのある7作品となりました。

時間をかけて絵具層が重ねられた絵も良いですが、短時間で仕上げたドローイングは、タブローにはない新鮮さと勢いがあり、制作についての新しい発見があるのではないでしょうか。

よりフレッシュな気分で描けるという面では、モチーフに対する印象や想いが表現されやすいような気もします!

最終回となる第4弾は、10月頃に公開予定です!

タブノキ 夏の動物園 ~Part.1

タブノキ 夏の動物園 ~Part.1

夏は動物園に行きたくなります!
皆さんの制作の合間を縫って、タイミングの合った方に、好きな画材で動物をモチーフに描いてもらいました。
できるだけ2つ以上の画材を組み合わせた表現で、短時間で仕上げる、どちらかというとドローイングに近い作品たちをご紹介いたします!

(作品サイズ:各38×27cm程度)

 

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「キツネザル」
小島史子さん  水彩、色鉛筆/紙

 

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「りす」
小島史子さん  アクリル、クレヨン/紙

 

 

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「Tiger」
塩谷佐弥さん  アクリルガッシュ、コンテ/紙

 

 

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「遠く」
四辻秋桜さん  色鉛筆、マーカー/紙

 

 

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「かば」
菊地久仁子さん  水彩、ペン、クレヨン/紙

 

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「しまうま」
菊地久仁子さん  水彩、ペン、クレヨン/紙

 

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絵の具やマーカーの「塗り」に対して、クレヨンや色鉛筆による「線」的な要素が加わり、絵の具だけで構成する画面とは一味違った面白さがありますね!

part.2も続けてどうぞ!