ポトスといちじく / 色鉛筆

最後は色鉛筆の静物をご紹介します。

大きな紙に色鉛筆だったので、2時間で描き上げるのは大変だったと思いますが、 ドローイングのようなイメージで雰囲気のある作品に仕上がりました!

 

IM_potos_web200_2  「ポトスといちじく 」 井村 三佳さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉あまり慣れない色えんぴつ画への挑戦でしたが、いろんな色を足せば足すほど深みが出てきて、色をのせてて楽しかったです。

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構図がとても良かったと思います。
ひきの構図だと机の線を描く人が多いのですが、後ろの背景もあわせうまく省いて、紺色の布の三角形とポトスの先で構図を捉え、余白が間延びせずに活かされています。

紙の白から背景の黄色、青い布へと徐々に色と大きな線が重ねられていくことで、視線が中央の主役に自然と誘導されます。
紺の布に残された大きな線が効果的できれいですね。
主役のポトスとカップ、いちじくは、固有色を残しながらも色々な色が重ねられていて、昼下がりの午後のような、暖かな雰囲気のある絵となりました!

 

 

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さて、井村さんはなんと妊婦さんで、8月にご出産予定です・・・!!
日に日に大きくなっていくお腹を抱えながらも、しっかりデッサンをしてくれました。

ご出産も近づきタブノキはしばらくお休みとなりますが、素敵な赤ちゃんの誕生が楽しみですね!

「電球、ライムとれんが」「植木鉢と板」 / デッサン

今週は井村さんの作品をいくつかご紹介します!

まずは、デッサンカリキュラムでお馴染みのレンガと電球の組み合わせデッサンです。

 

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「電球、ライムとれんが 」 井村 三佳さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 電球の形、透明感、光り具合にはじめは大変苦労しましたが、対象物をしっかり見てじっくり描きこんでいくと、きちんと表現できることを学びました。

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あっという間に描き上げてくれたデッサンでした!井村さんは、間違っていても恐れずに、思い切りよくざくざく描いていきます。そのため、早い段階で全体像が見えて来るので、レンガや電球の形のゆがみの修正も比較的容易にこなされていました。

なんと2枚目のデッサンですが、全体に同じように手が届き(これが意外とできない人が多いのです!)まとまりがありますね。接点や影などのモチーフ同士の関係性も、よく見ながら客観的に対象を把握しています。

とりわけ、レンガとライムの描き分けがとてもよくできていると思います。

濃い緑色のライムと赤いレンガの明度が似ているため、同じような質感になってしまいがちですが、ライムの表面の小さなでこぼこを丁寧に追っているので、同じ鉛筆の濃さでも一目で違いが分かります。

布の白さをポイントにして、メリハリのあるデッサンに仕上がっています!

 

あわせてもう一枚、デッサンをご紹介します。

 

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「 植木鉢と板 」 井村 三佳さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 植木鉢の形や奥行きを表現するのに苦労しましたが、先生のアドバイスに従っていくうちに自然と出来上がってきて描いていて楽しかったです。

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こちらもさくさくと形を捉えてくれました。板はコーヒーの樽蓋の木片ですが、長さがあるため紙に収めるのが少し難しいモチーフです。
植木鉢の手前から外縁の底への奥行きや、底の形を取るのに皆がひっかかるところなのですが、違和感なく仕上がっています。側面の直線から底の曲線への入り方も、とてもよく観察して描けています。

植木鉢の外側の光を丁寧に見ているので、向こう側へまわりこんでいく感じが伝わってきますね。

円が少しよたよたしてしまっているのが残念ですが、内側と外側の整合性は捉えられています。3つのモチーフの色の違いなど、大きな塊としての描き分けもできています。
荒削りなのにも関わらず、大切な要所要所がしっかりと抑えられているので、とても説得力のあるデッサンになったと思います!