インド洋の島にて / 水彩

今月は倉見美生さんの作品をご紹介いたします!

倉見さんは主に風景をテーマとして、水彩を描いています。
昨年の展覧会では小道の風景画を展示されましたが、数名の会員の方から「なにか惹かれる」といったひそかな熱い支持の声が出ていました。

今回は南の島、モルディヴがテーマの作品です!

 

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倉見 美生 さん 「インド洋の島にて」     F6 (水彩、紙)

〈作者コメント〉モルディヴの風景を描いたものです。空の色をもっと青く鮮やかに描けたらよかったなと思います。やしの木の葉っぱに日光が反射する感じが描けず、難しかったです。
左右の緑や、奥行きをよく見て描けたことは良かったなと思います。

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大きなヤシの木と、小さな人物や建物の対比が面白い作品です。
遠い南の島の、ゆったりとした空気感がよく伝わってきますね。

手前の緑から、浜辺の人物、海へかかる橋、建物、さらにその奥の建物、そして最遠景の海まで。
近景から遠景まで数段階に分けられた距離感が、非常に魅力的な絵だと思います。
1人浜辺を歩く人物を越えて、さらに向こうの方へと、橋と共に視線が誘導されますね。

写真に写っているすべてをつい描きたくなるものですが、
光の変化をしっかりと追いながら、描く/抜くのバランスにじっくりと向き合ったな、という感じがします。
距離感も魅力ですが、左右の緑の描き込みも見応えがあります!
一色で塗り潰すのではなく、木に当たった光の変化がうまく捉えられています。
植物の描き分けも面白いですね。

作者が実際に肌で感じた、モルディヴの静かな記憶が漂う素敵な作品です。

 

倉見さん、次作はスペインの風景画が進行中です。
楽しみですね!