「ケムリ」のドローイング ~アトリエで展示中です!

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現在、土曜日クラスの勝田伸治さんのドローイング作品を、アトリエ内で展示しております!「ケムリ」にテーマを絞り、カラフルでポップな空間を作ってくれました。
 
●ドローイング課題について●
カリキュラム入門編の最後の課題は、実はドローイングです。
ひとつのタブロー作品を完成させるのではなく、何枚かのドローイングを描き、気に入ったものを選んでアトリエ内で2ヶ月間程展示します。
たくさん描いて欲しい、というのもありますが、自分の制作をまとまった形で制作し、少し大きな視点で捉えていく試みでもあります!

 

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※※画像はすべて、クリックすると大きな画像が見られます。
 
勝田伸治 『ケムリ』 (アトリエ内展示すべてで)
/アクリル、鉛筆、紙

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●作者コメント●

「ケムリ」をモチーフに色々と描いてみました。
何故、「ケムリ」なのか・・・特に意味はないです。
「ケムリ」の形がおもしろいと思い描いてみました。
雲のように見えるものも一応「ケムリ」です。
それぞれの作品については、
見ていただいた方 それぞれに
何か感じてもらえればなぁと思っております。
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よーく見ると、実はすべて、もくもくしたケムリですね!
リング型の立体にもケムリが並んでいるのに気がつくと、ふふっと口元が緩んでしまいます。
上の画像は、上下の作品が同じ構図になっています。下の段はラフスケッチで、上の段は本画のようなイメージですが、白い部分の多いラフと、きっちりと描かれた本画との落差やリズム感が面白い展示になっています。

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(内側にも外側にもケムリが並んでいますよ!)

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アクリル絵の具です。海の向こうに浮かんだケムリのようです。
空、海、水面に映るケムリ、の3つは同系色で、実際のケムリだけ色味が違います。
色彩のトリックに、おもわず何度も見てしまう、不思議な強さのあるペア作品です。
 
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鉛筆とアクリル絵の具、クレヨンです。
薄く塗ったアクリル絵の具の下から透けて見える鉛筆の線を、効果的に見せようという試みでもあります。
ここでは「ケムリ」の線がなんと分解され、部品となって空間を作っています。
部品が粉々になったり、増殖したり・・・・1枚1枚の面白さもありますが、大小様々な構成と色彩でテトリスのように配置され、展示ならではの楽しさがありますね。
 
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最後はこちら10cm角の3つの組作品です。
ケムリの一番下の根っこのような部分がクローズアップされています。
同じ構図で同じ3色を使い、配色の位置だけ変えられています。
ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルのような、繰り返しに潜むちょっとした変化が魅力的な作品ですね!
 
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いかがでしたでしょうか。
作者の勝田さんは去年の秋頃、新幹線から見える野焼きの煙の風景をポップに描かれていましたが、その煙から、こんなに多くの展開が生まれるとは思いもよりませんでした。
 
このケムリから派生したドローイング、実は他にもたくさんある中から、作者がテーマを絞って選び、展示しています。
隙間からケムリが出ていたり、パズルのピースのように2つを組み合わせて見せる作品など、「ケムリ」という1つのモチーフに焦点を絞って(絞ったからこそ?)、絵ってどんなことができるのかな?という問題に取り組まれたのではないかと思われます!
 
ただのケムリを侮ることなかれ、シンプルなモチーフにも関わらず、メリハリのある、不思議な世界観の展示空間となりました!!
 
 
 
※5月末まで展示予定です。
アトリエにお越しの際はぜひご高覧ください!

【速報!】全日本アートサロン入選報告

この度、土曜日クラスの勝田伸治さんが「第25回全日本アートサロン絵画大賞展(自由表現部門)」に入選されました。

 

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「Wood#1」勝田伸治 アクリル画(F20)

12月の小作品展では橋や続く道をカラフルに描いていた勝田さんですが、入選作は松の木をイメージした作品です。
はっとさせられるような色彩が新鮮で魅力的ですね!

 

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入選おめでとうございます!

 

2月15日まで、六本木の国立新美術館にて入選作が展示されています。
いろいろな作品があるので、「こんな絵を描きたいな」「こんな描き方があるのか」という勉強にもなるかもしれません。ご興味のある方はぜひどうぞ。

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全日本アートサロン絵画大賞展(東京展)

会期:2016年2月4日(木)~15日(月)
会場:国立新美術館 展示室1B
開館時間:10時~18時(最終日は15時まで)
※9日(火)は休館
※入場は閉館の30分前まで
入場料:500円

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タブノキ 夏の動物園 ~Part.2

タブノキ 夏の動物園 ~Part.2

引き続き、タイミングが合った方々にお願いした動物作品をご紹介いたします!

 

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「マン と  ヒヒ」
勝田伸治さん  アクリル、クレヨン/紙

 

 

 

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「写真模写-ミミズク」
柿嶋圭子さん  鉛筆/紙

 

 

 

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「鹿の親子」
高木一文さん  水彩、色鉛筆/紙

 

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「鷲」
高木一文さん  水彩/紙

 

 

 

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「ゴリラ」
杉江隆さん  アクリル、色鉛筆/紙

 

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「しまうま」
杉江隆さん  アクリル、鉛筆/紙

 

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作者の個性と画材の個性の違いによって、魅力的な作品集になったと思います!

動物の違いはもちろんですが、画材や描き方の変化で、こうも違うものかと、あらためて絵の表現の幅広さに驚かされます。
アクリル絵の具の即興的な強いタッチや重ね塗りの透明感、水彩の柔らかな水の表情、そして時間をかけて描き込まれた鉛筆描写など、各画材それぞれの良さが輝いてくれたのではないでしょうか。

 

9月にpart.3を掲載する予定です。

ぜひぜひお楽しみに!!

 

緑葉 猫 原っぱ / アクリル

秋口からアトリエで絵を描き始めた、勝田さんのアクリル画をご紹介します!

静物画を描き、絵の具の使い方がざっくりと分かったところで挑戦した、2枚目のアクリル画です。(印象派を意識してみようというカリキュラム課題でもあります。)

 

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「緑葉 猫 原っぱ」 /  勝田伸治 さん / アクリル、キャンバス(F6)

〈作者コメント〉
思うまま感じるままに描いてみようと思い描きました。
夢の中の景色のような
なんというか
いい意味で不思議な感じに描けたかな
なんて思っています。

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猫と草原という牧歌的なモチーフですが、どこか、不思議な印象を与える絵に仕上がりました。
居心地の悪い場所に置かれた猫が、ちょっと透けていたり、顔がよく見えないのでついつい二度見してしまう。すると、草原や土の中に詰め込まれた豊かな色彩が目に入ってきて、今度は三度見してしまう。そんな不思議な作品だと思います。

 
草原の緑に対して画面下部に強く赤い土のラインが入っていたり、左上の光に対して右上の三角の緑から斜めの線が入り右下は日陰になっていたりと、画面の抽象性に引きずられずに、構図が複雑に交差し合っているのが面白いですね。

本物らしい土を描くならば、もう少し彩度が落ちた色になりますが、勝田さんは、≪緑に対してどの色がここに置かれるべきか≫を考えて少し彩度の高い赤を置いています。
昔公園で撮ったポラロイド写真が参考になっていますが、ただ写真を「模倣する」のではなく、その先の「絵を描く」ということを考えてくれました。

描くことは初心者の勝田さんですが、いろいろな絵を見てきたのかな、という経験が活かされた、絵画性がきらりと光る作品だと思います!