人物 (色鉛筆)

引き続き、李ヒヨンさんの作品です。
「青を少し強調していくような感じで」描いてみたいと挑戦した色鉛筆の人物画です!

 

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「人物 」 李 ヒヨンさん /380×540 mm (紙、色鉛筆)

〈作者コメント〉   AB型のなかよし友達。    彼女の想像の世界はいつも面白い

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自分で気に入った数本の色鉛筆を選んで、色数を限定して描かれた作品です。

肌に肌色は使われていません。人物は主にブルー、レッド、イエローの3色で描かれています。真正面から顔を大きく捉えているので、数本の色鉛筆だけで描いていくのはなかなか難しかったと思います。

安定した描写力に支えられた作品です。遠目にも分かるくらいに大きく残された色鉛筆の線が面を作り、人物の凹凸を描きだしています。
鎖骨や口元などの細部ものっぺらぼうにならず、丁寧に表現されていますね。

色鉛筆というと、もっと複雑に様々な色をのせていくのが普通ですが、色鉛筆の「素の色」や「線」を大切にしているので、色を混ぜすぎずに、紙の白をうまく利用して描かれています。女性の肌の透き通る感じもよく表れていますね。

少し変わった友人の内面が表現されている、不思議な印象の人物画となったのではないでしょうか!

 

李さんは「こんな感じで描いてみたい」というのをしっかりと決めて、果敢に色々な表現に挑んでくれます。失敗を恐れずに、まずやってみる、という姿勢に学ぶところは大きいです。

転職に伴い5月末で韓国にご帰国されることとなり、タブノキとしてはとても寂しくなります。韓国でも、ぜひいろいろな表現に挑戦し続けて欲しいです。李さんの今後のご活躍をお祈りしております!

昭和時代 (チャコールペンシル)、 星の王子様の町 (水彩色鉛筆)

今週は、人物を中心に絵を描いている李さんの作品をご紹介していきたいと思います!

 

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「昭和時代 」 李 ヒヨンさん / 380×540 mm (紙、チャコールペンシル)

〈作者コメント〉    今と変わっているのは何かしら。

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友人の顔を描く合間に、アトリエにあった昭和の写真集を元にして描いたものです。
女優の李麗仙さんが、旦那さんだった唐十郎さんと花園神社で食事をしているという、すごい写真をぱぱっと拡大して描いてくれました!(元写真では、左側に唐十郎さんがいて一緒にご飯を食べています)

写真だとつい人物にばかり目がいってしまいますが、絵にすると、大盛りのご飯や箸の持ち方、座布団、光、木の枝・・・といった風に、見えなかった要素が浮き上がってきます。
女優さんのポーズがちょうど三角形にうまく紙の中に収められつつも、大切な頭部が途切れていて、こんなところでご飯を食べている女優さんの窮屈さが予感させられ、絵としても面白い構図になっています。

チャコールペンシルのざらざらした質感とやわらかい黒の色味が、昭和時代の雰囲気ともぴったり合っていますね。写真をどうするのか、というのが難題ではありますが、シリーズ化したら面白くなりそうな作品だと思います!

 

さて、もうひとつ、李さんのドローイング作品もご紹介いたします。

 

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「星の王子様の町 」 李 ヒヨンさん / 380×540 mm (紙、水彩色鉛筆、アクリル)

〈作者コメント〉     いつか帰りたい.

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余ってしまった時間でその時思いついたものを描いたドローイングです。

「星を描きたい」という簡単な発想から、描いているうちに想像がふくらんで物語性のあるタイトルをつけてくれました。

水彩色鉛筆で星を描いた後、思い切りよく、アクリルの黒と白が入っています。

この「思い切り」というのが、なかなかできなかったりします。作品だと思うとつい慎重になってしまうものですが、軽やかな気持ちでドローイングをすると、意外と次の道が開けたりするものです。水彩色鉛筆だけでは出せなかった勢いが出てくれたのではないでしょうか。

ドローイングなんだけれども、タイトルも入り、李さんの世界感が垣間見えるものに仕上げてくれました!