ローファーの靴 / 鉛筆、紙

さらにもう一つ、柿嶋さんの最新作です。

ご自身が実際に使っている靴の作品です!

 

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「ローファーの靴 」 柿嶋 圭子 さん 380×540 mm (鉛筆、紙)

〈作者コメント〉時間をかけて描く事ができて、とても楽しい一枚でした。革と紙のリボンの質感の違いを表現できているといいのですが・・・。

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細部まで見ごたえのある作品です!
ローファーの飾りや、細かな光の強弱などじっくりと描きこまれています。

少し右よりの構図が、しっかり描きこんでいる分、大きく残した余白が生かされて絵画的な良い雰囲気に仕上がっています。左側の靴と、紙テープと、影が作る空間に柔らかな光が感じられてとてもきれいですね。

パンプス+ローファーという変わった形状の靴だったため、形を追っていくのが大変だったと思われますが、途中でも根気強く修正を加えて説得力のある画面になりました。

靴底のゴムの質感、そして右側の細かな線が重ねられた革の質感など気持ちが良いですね。

丁寧に描き込まれた完成度の高い一枚です!

 

柿嶋さんには、ぜひ難易度の高いデッサンにチャレンジしていって欲しいですね!

 

『牛乳パック』 『植木鉢、木片、布』 / 鉛筆、紙

今回は、毎週デッサンに取り組んでいる柿嶋圭子さんの作品をご紹介していきたいと思います!

まずは、タブノキで初めて描いてもらった単体デッサンです。

 

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「牛乳パック 」 柿嶋 圭子 さん 380×270 mm (鉛筆、紙)

〈作者コメント〉 教室に通い始めて最初に描いた作品です。十数年ぶりのデッサンなので、緊張しながら描いていました。できる限り写実を目指した作品です。

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文字やデザインも入れて完成させています。
リサイクルマークが工業製品らしいポイントになっていますね。
青と白のメリハリが利いた見やすいデッサンです。

経験したことのある方は分かると思いますが、印刷された文字やデザインを写して描くのは、結構大変です。面の傾きに文字の傾きも合わせなければいけないので、難易度が高い作業です。根気が要ります。
そのため、文字は簡略化して大丈夫ですよ、とお伝えしていますが、たまに文字をいれて、腰を据えて描いてくれる人がいます。

柿嶋さんも、じっくりと取り組んでくれました。

写真だとよく見えないのですが、青い部分のコーティングされた紙の質感なども丁寧に追ってキリリとした表情になっています。
 
記念の一枚です!

 

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続いて、植木鉢とコーヒー蓋の木片で構成された課題デッサンです。

 

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「植木鉢、木片、布 」 柿嶋 圭子 さん 380×540 mm (鉛筆、紙)

〈作者コメント〉 植木鉢と木片と布、3つも時間内に描ききれるかな、と思いつつ進めた憶えがあります。質感の違いはデッサンの重要な要素の一つですが、表現できたかな、と自画自賛した一枚です。

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この課題のポイントは植木鉢、木片、布の3つに囲まれた空間を表現することにあります。
木片から落ちる影と、向こう側の空間から差し込む光がよく観察されているのが分かりますね。
植木鉢の入口と布の上の空間の表情もきれいです。

細かい光の加減を丁寧に追うことで、木片と、植木鉢の質感の違いも明確にしています。
木片の直線がしっかりと処理してあるので、木の重みも伝わってきますね。

比較的短時間で仕上げてもらいましたが、細かいところに手の行き届いたデッサンに仕上がりました!

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次回に続きます・・

 

 

「身内のクツ」 「変わるパイナップル」 /デッサン

海野峻宗さんの作品です!

ご紹介するタイミングを逃してしまっていたので、デッサンを描き上げてからだいぶ時間が経ってしまいました・・・・・・が、タイトルをつけることで、鮮やかな息吹を吹き込んでくれました!

 

 

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「身内のクツ 」 海野 峻宗 さん 380×540 mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 現在、片方のクツが行方知れずです。

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革製の赤い女性ものの靴です。

裏返しにした片側がほぼ正面を向いている難しい配置です。靴のワインレッドと、裏側の黒いゴム部分の色味が似ているのでとても描きづらかったはずですが、奥行きがつぶれることなくしっかりと描きあげられています。ゴム部分の鈍い光の反射と、革のつやっぽさの違いもよく観察されています。

海野さんのデッサンは、淡い光が丁寧に表現されるところが魅力です。

時間をかけて、消して描いてという作業を繰り返していくので、細かなところが繊細に仕上がっています。左側の靴の飾り縫いの部分も、細かいところをただ「描き込む」と説明的になってしまいがちですが、淡い光と影を丁寧に追っているのが伝わってきますね。

少し突き放すようなタイトルも、背景にある物語を想起させるようで、作品を魅力的に仕上げています!

 

 

もうひとつデッサンをご紹介します。

 

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「変わるパイナップル 」 海野 峻宗 さん 380×540 mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 日がたつにつれて姿が変わってゆくパイナップルの生物感と、時間の干渉を受けない電球とレンガの姿が表現できていると願います。

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難しいパイナップルに果敢に挑んたデッサンです。

描くのが大変だったこともあり、パイナップルが徐々にしおれていき、何度か代替わりしながらがんばって描き上げてくれました。

レンガと電球、パイナップルにメリハリがあるのがとても見やすいです。

レンガはまっすぐな線がしっかりと入り、ずっしりとした重みがよく表現できていると思います。それに対して、パイナップルは柔らかな光を感じさせるような仕上がりになっています。
細かな描写を追いつつも、ボリューム感を意識して、回り込みも描けています。
レンガとパイナップルの間の空間のおかげで、全体の奥行きも伝わってくるデッサンですね。

 

 

 

 

「電球、ライムとれんが」「植木鉢と板」 / デッサン

今週は井村さんの作品をいくつかご紹介します!

まずは、デッサンカリキュラムでお馴染みのレンガと電球の組み合わせデッサンです。

 

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「電球、ライムとれんが 」 井村 三佳さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 電球の形、透明感、光り具合にはじめは大変苦労しましたが、対象物をしっかり見てじっくり描きこんでいくと、きちんと表現できることを学びました。

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あっという間に描き上げてくれたデッサンでした!井村さんは、間違っていても恐れずに、思い切りよくざくざく描いていきます。そのため、早い段階で全体像が見えて来るので、レンガや電球の形のゆがみの修正も比較的容易にこなされていました。

なんと2枚目のデッサンですが、全体に同じように手が届き(これが意外とできない人が多いのです!)まとまりがありますね。接点や影などのモチーフ同士の関係性も、よく見ながら客観的に対象を把握しています。

とりわけ、レンガとライムの描き分けがとてもよくできていると思います。

濃い緑色のライムと赤いレンガの明度が似ているため、同じような質感になってしまいがちですが、ライムの表面の小さなでこぼこを丁寧に追っているので、同じ鉛筆の濃さでも一目で違いが分かります。

布の白さをポイントにして、メリハリのあるデッサンに仕上がっています!

 

あわせてもう一枚、デッサンをご紹介します。

 

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「 植木鉢と板 」 井村 三佳さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 植木鉢の形や奥行きを表現するのに苦労しましたが、先生のアドバイスに従っていくうちに自然と出来上がってきて描いていて楽しかったです。

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こちらもさくさくと形を捉えてくれました。板はコーヒーの樽蓋の木片ですが、長さがあるため紙に収めるのが少し難しいモチーフです。
植木鉢の手前から外縁の底への奥行きや、底の形を取るのに皆がひっかかるところなのですが、違和感なく仕上がっています。側面の直線から底の曲線への入り方も、とてもよく観察して描けています。

植木鉢の外側の光を丁寧に見ているので、向こう側へまわりこんでいく感じが伝わってきますね。

円が少しよたよたしてしまっているのが残念ですが、内側と外側の整合性は捉えられています。3つのモチーフの色の違いなど、大きな塊としての描き分けもできています。
荒削りなのにも関わらず、大切な要所要所がしっかりと抑えられているので、とても説得力のあるデッサンになったと思います!

 

 

 

昭和時代 (チャコールペンシル)、 星の王子様の町 (水彩色鉛筆)

今週は、人物を中心に絵を描いている李さんの作品をご紹介していきたいと思います!

 

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「昭和時代 」 李 ヒヨンさん / 380×540 mm (紙、チャコールペンシル)

〈作者コメント〉    今と変わっているのは何かしら。

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友人の顔を描く合間に、アトリエにあった昭和の写真集を元にして描いたものです。
女優の李麗仙さんが、旦那さんだった唐十郎さんと花園神社で食事をしているという、すごい写真をぱぱっと拡大して描いてくれました!(元写真では、左側に唐十郎さんがいて一緒にご飯を食べています)

写真だとつい人物にばかり目がいってしまいますが、絵にすると、大盛りのご飯や箸の持ち方、座布団、光、木の枝・・・といった風に、見えなかった要素が浮き上がってきます。
女優さんのポーズがちょうど三角形にうまく紙の中に収められつつも、大切な頭部が途切れていて、こんなところでご飯を食べている女優さんの窮屈さが予感させられ、絵としても面白い構図になっています。

チャコールペンシルのざらざらした質感とやわらかい黒の色味が、昭和時代の雰囲気ともぴったり合っていますね。写真をどうするのか、というのが難題ではありますが、シリーズ化したら面白くなりそうな作品だと思います!

 

さて、もうひとつ、李さんのドローイング作品もご紹介いたします。

 

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「星の王子様の町 」 李 ヒヨンさん / 380×540 mm (紙、水彩色鉛筆、アクリル)

〈作者コメント〉     いつか帰りたい.

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余ってしまった時間でその時思いついたものを描いたドローイングです。

「星を描きたい」という簡単な発想から、描いているうちに想像がふくらんで物語性のあるタイトルをつけてくれました。

水彩色鉛筆で星を描いた後、思い切りよく、アクリルの黒と白が入っています。

この「思い切り」というのが、なかなかできなかったりします。作品だと思うとつい慎重になってしまうものですが、軽やかな気持ちでドローイングをすると、意外と次の道が開けたりするものです。水彩色鉛筆だけでは出せなかった勢いが出てくれたのではないでしょうか。

ドローイングなんだけれども、タイトルも入り、李さんの世界感が垣間見えるものに仕上げてくれました!

 

レンガ、電球、パプリカ / デッサン

久しぶりの更新です!

今週は小幡さんの3作目のデッサンをご紹介したいと思います!
 

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「レンガ、電球、パプリカ 」 小幡 美紗さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉 物の表面の質感の違いを描きわけるのが難しく 、 そして楽しかったです。

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初めて挑戦した複数モチーフのデッサンですが、まとまりのある素敵な作品に完成しました!

時間をかけてひとつひとつのモチーフを丁寧に仕上げていますが、全体に同時に手を入れながら進めているので、全体のバランスが良く、3つのモチーフにつながりがあるのがとても良いと思います。

レンガに落ちる影と、向こう側からの光をしっかりと観察して描いているおかげで、電球とレンガの間の空間が見えてきますね。

レンガのずっしりとした感じや、電球の硬質な質感もよく表現できていると思います。
パプリカのつるっとした質感がなかなか出ず苦心していましたが、繊細に観察しながら手が入っているので、気持ちを込めて大切に描いたような印象を受けるデッサンとなりました。
 
これからもぜひ、この雰囲気を大事にしながら、絵を楽しんで描いていって欲しいです!