一日のはじまり / 色鉛筆

先日の展覧会で色鉛筆の作品を展示した、大西絵里子さんの新作をご紹介いたします!
前回のフラミンゴに続き、今回はアフリカ象をテーマにした作品です。

 

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「一日のはじまり」 大西 絵里子 さん 275×375 mm (色鉛筆、紙)

〈作者コメント〉空と象・草原のシルエットの対比がキレイだったのでこの写真を選びました。
青単色のイメージの空を描くのがとても難しかったですが、色を抜いて重ねてを繰り返して何とか空を描くことができたと思います。

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象の鳴き声や現地の「音」が聞こえてきそうな作品です。

表情が豊かなシルエットに、象の一日一日の物語を想起させられました。 遠くの地平線から登る太陽がまぶしく、象や木の枝に反射する光がとても美しく描かれています!

広く、遠くまで続く空の遠近感を表現するのは難しかったはずですが、近くの空の雲と、遠くの空の雲が見事に描き分けられ、広大な世界の広がりが伝わってきますね。

元ネタのポストカードは、青(空)と黒(シルエット)のはっきりとした対比が面白い写真でしたが、真黒なシルエットの中にある微妙な光を見逃さず、様々な色を重ねて描かれた黒の面は、色鉛筆ならではの良さが活かされているのではないでしょうか。

遠くまで続く空と象、光。小さな紙に広大な土地。絞られたテーマのうちに、ぎゅっと時間が凝縮されたような魅力が光る作品だと思います!

こんな場所へ、行きたくなってしまいますね。

 

大西さんの次回作も動物でしょうか。
斯うご期待です!!

 

ポトスといちじく / 色鉛筆

最後は色鉛筆の静物をご紹介します。

大きな紙に色鉛筆だったので、2時間で描き上げるのは大変だったと思いますが、 ドローイングのようなイメージで雰囲気のある作品に仕上がりました!

 

IM_potos_web200_2  「ポトスといちじく 」 井村 三佳さん 380×540mm (紙、鉛筆)

〈作者コメント〉あまり慣れない色えんぴつ画への挑戦でしたが、いろんな色を足せば足すほど深みが出てきて、色をのせてて楽しかったです。

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構図がとても良かったと思います。
ひきの構図だと机の線を描く人が多いのですが、後ろの背景もあわせうまく省いて、紺色の布の三角形とポトスの先で構図を捉え、余白が間延びせずに活かされています。

紙の白から背景の黄色、青い布へと徐々に色と大きな線が重ねられていくことで、視線が中央の主役に自然と誘導されます。
紺の布に残された大きな線が効果的できれいですね。
主役のポトスとカップ、いちじくは、固有色を残しながらも色々な色が重ねられていて、昼下がりの午後のような、暖かな雰囲気のある絵となりました!

 

 

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さて、井村さんはなんと妊婦さんで、8月にご出産予定です・・・!!
日に日に大きくなっていくお腹を抱えながらも、しっかりデッサンをしてくれました。

ご出産も近づきタブノキはしばらくお休みとなりますが、素敵な赤ちゃんの誕生が楽しみですね!

人物 (色鉛筆)

引き続き、李ヒヨンさんの作品です。
「青を少し強調していくような感じで」描いてみたいと挑戦した色鉛筆の人物画です!

 

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「人物 」 李 ヒヨンさん /380×540 mm (紙、色鉛筆)

〈作者コメント〉   AB型のなかよし友達。    彼女の想像の世界はいつも面白い

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自分で気に入った数本の色鉛筆を選んで、色数を限定して描かれた作品です。

肌に肌色は使われていません。人物は主にブルー、レッド、イエローの3色で描かれています。真正面から顔を大きく捉えているので、数本の色鉛筆だけで描いていくのはなかなか難しかったと思います。

安定した描写力に支えられた作品です。遠目にも分かるくらいに大きく残された色鉛筆の線が面を作り、人物の凹凸を描きだしています。
鎖骨や口元などの細部ものっぺらぼうにならず、丁寧に表現されていますね。

色鉛筆というと、もっと複雑に様々な色をのせていくのが普通ですが、色鉛筆の「素の色」や「線」を大切にしているので、色を混ぜすぎずに、紙の白をうまく利用して描かれています。女性の肌の透き通る感じもよく表れていますね。

少し変わった友人の内面が表現されている、不思議な印象の人物画となったのではないでしょうか!

 

李さんは「こんな感じで描いてみたい」というのをしっかりと決めて、果敢に色々な表現に挑んでくれます。失敗を恐れずに、まずやってみる、という姿勢に学ぶところは大きいです。

転職に伴い5月末で韓国にご帰国されることとなり、タブノキとしてはとても寂しくなります。韓国でも、ぜひいろいろな表現に挑戦し続けて欲しいです。李さんの今後のご活躍をお祈りしております!

昭和時代 (チャコールペンシル)、 星の王子様の町 (水彩色鉛筆)

今週は、人物を中心に絵を描いている李さんの作品をご紹介していきたいと思います!

 

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「昭和時代 」 李 ヒヨンさん / 380×540 mm (紙、チャコールペンシル)

〈作者コメント〉    今と変わっているのは何かしら。

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友人の顔を描く合間に、アトリエにあった昭和の写真集を元にして描いたものです。
女優の李麗仙さんが、旦那さんだった唐十郎さんと花園神社で食事をしているという、すごい写真をぱぱっと拡大して描いてくれました!(元写真では、左側に唐十郎さんがいて一緒にご飯を食べています)

写真だとつい人物にばかり目がいってしまいますが、絵にすると、大盛りのご飯や箸の持ち方、座布団、光、木の枝・・・といった風に、見えなかった要素が浮き上がってきます。
女優さんのポーズがちょうど三角形にうまく紙の中に収められつつも、大切な頭部が途切れていて、こんなところでご飯を食べている女優さんの窮屈さが予感させられ、絵としても面白い構図になっています。

チャコールペンシルのざらざらした質感とやわらかい黒の色味が、昭和時代の雰囲気ともぴったり合っていますね。写真をどうするのか、というのが難題ではありますが、シリーズ化したら面白くなりそうな作品だと思います!

 

さて、もうひとつ、李さんのドローイング作品もご紹介いたします。

 

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「星の王子様の町 」 李 ヒヨンさん / 380×540 mm (紙、水彩色鉛筆、アクリル)

〈作者コメント〉     いつか帰りたい.

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余ってしまった時間でその時思いついたものを描いたドローイングです。

「星を描きたい」という簡単な発想から、描いているうちに想像がふくらんで物語性のあるタイトルをつけてくれました。

水彩色鉛筆で星を描いた後、思い切りよく、アクリルの黒と白が入っています。

この「思い切り」というのが、なかなかできなかったりします。作品だと思うとつい慎重になってしまうものですが、軽やかな気持ちでドローイングをすると、意外と次の道が開けたりするものです。水彩色鉛筆だけでは出せなかった勢いが出てくれたのではないでしょうか。

ドローイングなんだけれども、タイトルも入り、李さんの世界感が垣間見えるものに仕上げてくれました!

 

錦織圭(テニス選手)/ 色鉛筆

続いてS.Sakai さんのスポーツ選手シリーズです。色鉛筆の作品です。

 

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「錦織 圭   選手」  S.Sakai さん / 色鉛筆、紙 (八切り)

〈作者コメント〉 最近、テニスで世界ランク ベスト4のフェデラ―選手を倒したことで絶好調の錦織圭選手を、色鉛筆で描いてみました。
バックハンドストロークのインパクトのシーンですが、動きや表情に注目して描きました。
是非、錦織選手の今後に期待したいと思います。

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色鉛筆による2枚目の作品です。
とりわけ表情にはこだわりを感じさせます。肌や髪の部分の、丁寧に観察された描写とやわらかい表現が気持ちの良い絵です。

頭部の回り込み(輪郭の向こう側にまわり込んでいく部分)をしっかり追っているので、鼻から耳、その後ろの髪までの奥行きが感じられます。

両手がこちら側に向かって伸びている非常に難しい構図ですが、
速い球とラケットのブレが画面の中心に動きを作り、インパクトの瞬間の緊迫感が伝わってくる絵に仕上がっています!

顔と球のインパクト部分がしっかり描き起こされているので、自然と視線が誘導されます。
スポーツ選手ならではの、動きのある画面に挑戦してくれました!